ヤッツケ仕事
(c)2003 石森プロ・テレビ朝日・ ADK・東映

第50話


 灰化が始まり、その場を立ち去る乾氏。
いつもの地下道をフラフラと歩いていると、目の前に先回りしてきたらしい馬怪人が。
馬怪人の前でそのまま倒れる乾氏。
馬怪人にぶつかって倒れる感じだったので、落下の衝撃は若干やわらげられていると思います。

そしてスマートブレインの病院の前に到着する救急車。
担架に乗せられた乾氏が運び込まれます。
またまた先回りしている馬怪人、医師等に乾氏を
オルフェノクが滅ぶメカニズム解明の実験に使うよう指示。
馬怪人、先回りに際してスピード違反をしていそうです。


 助けた少年を探す蛇くん。
何故かまたまた居なくなったようです。
少年の名前を呼びながら、適当に走っていますが、
スマートブレンタワー建設予定地の看板が目にとまります。
野生の勘で敷地内の地下室への入り口に入る蛇くん。
もちろん鍵など掛かっていません。
タワー敷地の地下には既に巨大な空間が作り上げられています。
特に重機などは見当たらないので、工事が中断しているのかも知れません。
そこで蛇くんが見たものは、更に地下に続く大トンネルで
お約束どおり横たわりながら宙に浮いている少年。
王の影が少年にダブっていて、少年の周りには金色の光の帯がウネウネと伸びています。
少年を核としたニューロンみたいな感じです。

そこにまたまた先回り馬怪人。
蛇くんに少年がオルフェノクの王だと知らせます。
馬怪人と蛇くんの居る距離が凄い離れた場所にいるのですが、
オルフェノクは聴覚が発達しているので会話可能です。
乾氏がどうなった蛇くんに聞かれた馬怪人、
「俺が預かっている。スマートブレインの病院に居る。
彼は裏切り者のオルフェノクだ。最後ぐらい役に立ってもらおうと思ってな。」
と普通に回答。
最初からこのぐらいベラベラ喋ればファイズの話が半分で済んだかも知れないですが、
それは置いておきます。
蛇くんは馬怪人に「クソ野郎!」とはき捨て、小走りでその場を去ります。


 蛇くんはクリーニング屋に乾氏のピンチを伝えに来ます。
電話なんてハイカラな物は使いません。
真理ちゃんは乾氏を助けようとすぐさま行動を起こします。
どうも蛇くんが真理ちゃん達に助けを求めてきた構図です。


 バラ怪人社長がよくうろつく部屋にも見えますが、
スマートブレイン病院で実験台にされている乾氏。
「細胞の崩壊過程を早めるんだ。」と医師が指示を出すと、
板みたいなのにくくり付けられている乾氏、もう一枚の針がビッチリ付いている板とで
ザクーとサンドイッチ。
ブシューと謎の煙。

BCG注射など目じゃありません。
気絶していて心理的ダメージが無かったのがせめてもの救いです。
ただ、傷口が沢山出来そうですので、消毒が面倒です。
それ以上に機材のメンテナンスも大変そうですが。
あと、これで細胞崩壊をさせる薬が打ち込まれたわけですが、
この辺の薬から既に実験段階だったりすると、
何がどう効くのかは分かったもんじゃありません。
何故か乾氏がDカップになってしまったら、と思うと大変不安です。 
あと、乾氏は上半身裸で実験を受けていましたが、下は例の派手なパンツでしょうか。



 乾氏を救出すべく、病院内に侵入する真理ちゃん、啓太郎(ちゃん?)、蛇くんの3名。
医師と看護師を持ってきたアイロンでのして、まんまと入れ替わる事に成功。
アイロンはコードレスの奴でしょうか。高温でしょうか。スチームでしょうか。
あと、相手がオルフェノクだったかもしれませんが、気にして入られません。
乾氏を探す為、片っ端から病室のカーテンを開けていきますが、
何故か空きベッドだらけ。
この病院の収益はかなり悪そうです。

そして遂に乾氏が捕らえられている部屋を見つけ出した一同。
5〜6人はいそうなスタッフを消火器の薬剤などで撹乱し、乾氏救出に成功。
スタッフが全員オルフェノクかもしれませんが、知った事ではありません。


 一方、王の居る地下空間に里奈ちゃんを連れて乗り込んだバイト君。
目の前で子供の姿から王の姿になる少年を見て、
里奈ちゃんは「まさか、こんな事が、照夫君!」と少年に呼びかけたりしますが、
バイト君はデルタに変身。
殺る気マンマンで王にジャンプしながら撃っていきます。
バイト君の児童福祉施設のバイトの適性に疑問です。

しかしバイト君は王の周りにある光の帯で弾き返されてしまいます。
ただ、下方向(深さ不明)に落とされるのでなくって
横方向に弾かれたのは不幸中の幸いです。

弾かれて倒れたバイト君デルタですが、里奈ちゃんに助け起こされます。
そこに女性バーテンダーとムカデ怪人登場。
王を守りにきたようです。
ただ、ムカデ怪人がちょっとゲロ我慢フェイス。


 乾氏を乗せて走るクリーニング屋のワゴン。
真理ちゃんの呼びかけで乾氏は意識を取り戻したようです。
あと、乾氏の服もさり気なく取り返している辺り、真理ちゃんは抜かりないです。
そこにまたまたまた先回り馬怪人。
ワゴンの前に車を止めて降りる馬怪人に、いまだフラついている乾氏もワゴンから降りお互い睨み合う構図。
そんな乾氏の携帯にバイト君からヘルプの電話。
バイト君、真理ちゃん達のほうが手際が良いと知っています。

乾氏は蛇くんにバイト君のヘルプに向かわせ、また
「お前達もいけ!」と、
真理ちゃん達も安全な場所に移動させます。

「君はどうせ死ぬ。こうなったらせめて、俺の手で倒してやる。」と馬怪人、
良く分からない理屈で乾氏と対峙。
「お前が人間を捨てた時から、いつかこうなる事は分かっていた。」と乾氏、
それって結構最近です。

「君は何故人間に拘る。
オルフェノクとして生き、王の力を受け入れれば、死の運命から救われるのに。
君は死ぬのが怖くないのか。」
と馬怪人、まだ乾氏を味方にしたいかのような発言。

「怖いさ、だから一所懸命生きてんだよ。人間を守る為に。」
と乾氏。

もう禅問答。

「守る価値の無い物を守っても仕方が無い。」

という馬怪人の発言でトーク終了。
2人は向き合ってそれぞれ555、カイザに変身。
ブレイガンを構える馬怪人カイザに対し、
乾氏555はいつもの右手を振る仕草であんまり戦闘と関係無い動きです。


 地下空洞に到着した真理ちゃんと啓太郎(ちゃん?)と蛇くんの3名。
里奈ちゃんも含めた彼等が見守る中、
浮いていた少年と王の影は次第に王の影が優勢になり、
何かが砕け飛んだ影が見え、遂に少年は王だけの存在に。
「照夫君!」と叫ぶ里奈ちゃん。そして顔を伏せる蛇くん。
蛇くんは変身してバイト君デルタの加勢に入ります。

真理ちゃん達は蛇くんが変身したのを見ても別に驚いていないので、
今迄結構見られていたのかもしれません。

しかし女性バーテンダーとムカデ怪人のタッグに対し、
バイト君デルタと蛇くんのコンビの戦いは
異様にヘタレ率が高いです。
現在相対的に蛇くんの戦闘力が高い感じですが、これは異常事態です。


 馬怪人カイザと戦闘をしている乾氏555ですが、
ブレイガンを持つ馬怪人カイザに武器無しで挑んでいる為、リーチの違いで劣勢。
ファイズショットを手にセットする乾氏555ですが、
馬怪人カイザがブレイガンから剣攻撃の前に使う相手をホールドするビームを出し、
乾氏555はロックオン状態。
しかし何とかファイズフォンにグランインパクトのコードを入力した乾氏555は、
ビームを跳ね返してファイズショットでブレイガンの攻撃を受け止めます。
その衝撃で両者弾かれ、ベルトが外れて変身解除。
今度はオルフェノク体に変身しての戦闘になりますが、
ここで馬怪人は更に激情態になり、剣まで出して乾氏を圧倒。
乾氏は突き飛ばされて変身が解除されますが、そこにうまい事先ほど外れたベルトが落ちており、再び555に変身。
更に何時の間にかファイズブラスターを持っていた乾氏555、
ブラスターモードになり馬怪人の剣攻撃を肩で受け止め、ファイズブラスターで反撃します。

倒れて変身の解ける馬怪人に、馬怪人の剣を振り下ろす乾氏555。
しかし馬怪人の顔の横で剣の動きは止まり、
乾氏は変身を解除して剣も投げ捨ててしまいます。

「何故だ、何故トドメを刺さない。」と顔を歪めて聞く馬怪人。
「言った筈だ。俺は人間を守るってな。お前も、人間だ。」
「違う!俺は…!」と馬怪人が何か発言しようとしましたが、
乾氏はその辺に張ってあったネットの破れ目をくぐってトットと去ります。
馬怪人は「待て!乾!乾!」と叫びながら乾氏の方へ歩こうとしますが、ネットに阻まれました。
横に3メートルも移動すれば乾氏が出て行った破れ目がありますが、
「待てー!うわー!うわー!」と叫ぶばかりで、
そちらから出よう等とは思いません。


 気が付いたら押されているバイト君デルタと蛇くん。
乾氏555が地下空間に到着し、女性バーテンダーとムカデ怪人を蹴って加勢に入りますが、
そこに王からの攻撃が入ります。
まるでそこに床があるかのように、宙を歩き近寄ってくる王。
王から射出された炎の弾を受け、変身が解ける乾氏。

その頃馬怪人は先ほどの場所に座って何かを考えている風でしたが、
意を決してネットをくぐり歩いていきます。
やっと破れ目に気付いたとかじゃあんまりなんで、追究しません。


 覚醒した王を目の前にする女性バーテンダーとムカデ怪人。
女性バーテンダーは王に近寄っていき、王に抱き寄せられます。
王の発する金色の光に包まれながら、
「感じる、オルフェノクの真の力を。私はもう、死ぬ事は無い。」
と言いつつ、女性バーテンダーの人間体の影は消え去ります。
ムカデ怪人は今日も悲鳴を上げて逃げていきました。


 ゆっくりと振り返る王。
王は真理ちゃん達のほうに歩いていきます。
それを阻止しようとバイト君デルタが王を後ろから止めに入りますが、全然駄目で弾かれます。
バイト君も変身解除。
ベルトが外れる頻度が高いですが、
最後まで改善されませんでした。

そこに馬怪人登場。
「まだ俺には分からない。何が正しいのか。その答えを君が俺に教えてくれ。」と
乾氏に言い、カイザに変身する馬怪人。
馬怪人カイザは王をやっぱり後ろから止めに入ります。
その間に、乾氏に立ち上がるよう声を掛ける真理ちゃん。
早く逃げてくださいお願いします。

しかも王のパンチで馬怪人カイザも吹っ飛ばされます。
そこにオートバジンがバトルモードで飛来、王にガトリングガンで攻撃します。

バジン、小屋のドアとか空けて来たのでしょうか。

そしてバジンはファイズブラスターを乾氏に投げ寄越します。
お使いの出来る素晴らしいバイクです。
しかし王の放つ炎の弾でバジンは木っ端微塵に。


ファイズブラスターを手にした乾氏、
「見つけようぜ、木場、三原。俺たちの答えを。俺たちの力で!」
バイト君の答えは「家に帰る」とかそんなのが予想されますので、
敢えて聞きたいとは思いません。

そしてライダーに変身する3人。
乾氏は最初からブラスターフォームで、ファイズブラスターで王を攻撃。
そのタイミングで馬怪人カイザとバイト君デルタが必殺キックを叩き込もうとしますが、
弾き返されてしまいます。
立ち上がる馬怪人カイザですが、王の伸びる指みたいなのでベルトごと腹を刺されてしまいます。
馬怪人はカイザのベルトを失い、先ほどのダメージで既に体から青い炎を出し死に掛けですが、
怪人体になって王に後ろからしがみ付いて、王の動きを封じます。

乾氏555は、バジンが命懸けで運んだ魂のファイズブラスターを投げ捨て、
王にキックを繰り出します。
そして起こる爆発。
真理ちゃん達は現場から30メートルぐらい離れた所に居ますが、伏せて爆風をやり過ごします。
蛇くんがどこかで楽していますが、そっとしておいてやりましょう。


 福祉施設で遊ぶ子供達。
門扉から中を覗いている蛇くん。
施設では、まだバイトを続けていたバイト君と里奈ちゃんが、先日の戦いを振り返って
「結局怖いのはオルフェノクの力なんかじゃなくて、力に溺れる人間の弱さじゃないのかな。でも、人間には人間にしかなしえない物がある。」
とバイト君、キレイに結論付け。
弱すぎてデルタの力に溺れなかったバイト君に乾杯。

「そうね、みんなには弱さに負けない夢を持って欲しい。綺麗な夢を。」と里奈ちゃん。


 刑事さんは無事定年退職。
真理ちゃんのバイト仲間の娘さんと、若い刑事に祝ってもらっています。
この若い刑事以外部下が居ないのでしょうか。
それとも娘婿にしてやろうとか思っているのでしょうか。
とにかく刑事さんは今後私立探偵を始めるそうです。
それに触発され、娘さんも美容師の仕事をもう少し続ける事に。
「夢って奴はそう簡単に捨てちゃいかん。卵を抱くようにして暖めてやれば、必ず夢は叶う物さ。」
と刑事さん。

ちょっとジェットマンのエンディングが脳内にかかりました。


 そして刑事さんたちのお祝いの席の外では、工事現場で働くムカデ怪人の姿が。
猫車も押せないぐらい弱体化が進んでいました。
そして現場監督というより文筆業を生業にしていそうな男性から、
「おいコラ新入り!もっと力入れて働かんかい!」
と頬をグーでグリグリされていました。
ちょっとやられ声の出し方とかコロッケ入ってました。

ムカデ怪人のモノローグが入ります。
――― 冴子さん、残された日々を、僕は人間として生きていきます。
どうかこんな僕をお許しください。 ―――


 スマートブレイン地下の流星塾の実験室では、
水槽に浸かった王を見守る女性バーテンダーが。
「あなたは死なない、きっと蘇る。」
と話し掛ける女性バーテンダー。
女性バーテンダー的には既に不死になっているので、
王の面倒を見るメリットはありません。
付き合いの良い人です。


 スマートブレイン社内では段ボール箱を搬出しています。
差し押さえかなんかでしょうか。
でも福祉施設は普通に営業していたので、単なる模様替えかなんかかも知れません。


 土手でまったりしているクリーニング屋チーム。
乾氏によれば、真理ちゃんと啓太郎(ちゃん?)は寝てしまっていたようです。
「そう言えば、変な夢見たような気がする」と啓太郎(ちゃん?)。

「夢って言えば、俺もようやく夢が見つかった。」と乾氏。
「へぇ、どんな夢?」と真理ちゃんに聞かれた乾氏は、
ふと自分の手に目を遣ります。
灰は付いていませんが―――

「どうしたのタックン?」
「別に、何でもない。」
「それで何なの?巧の夢って。」


「世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに、皆が、幸せになりますように。」



乾氏が見た夢も、啓太郎(ちゃん?)的なので変な夢に認定したい気分です。


とにかく真理ちゃんが生き残っていたので良かったです。
バイト君はジェットスライガーに乗れずじまいでした。


あと、誰か気合でバジンを直してください。