第37話


 踏み切りで遮断機が開くのを待っている女性、とそれを狙っている不審な人影。
不審者の赤い手の中央から蔓のような物が伸びて女性の首に巻きつき、
女性は倒れてしまいます。
襲われた女性の首から白い花が咲き、その花は次の瞬間青く染まっていきます。
そしてそれを摘み取る不審者。

ナレーションに拠ればこの事件は若い女性の突然死として処理され、地球署には報告がいかなかったそうです。
ところで会社帰りのように見えた被害者、労災扱いでしょうか。
保険屋とかが警察より熱心に調べてくれそうです。


 デカベース内にも不審者が。
歌を歌いながら壁面の鏡で身だしなみをチェックしてターンしたりしてます実に不審です。
あと階段の踊り場で本当に踊る人も珍しいです。
と思ったらブルーでした。
通りかかったグリーンがブルーに何をしているのか職務質問してますが
ブルーは気にするなと言ってどこかへ行ってしまいました。

皆の集まっている部屋にファイルを運びながら、ブルーの様子がおかしかったと漏らすグリーン。
ピンクとレッドはブルーの背後に女性が居るとして犬責任者に捜査の許可を求めます。
ところでブルーは非番なのでいいのですが、レッド達も普通に勤務している状態なのか
よく分からないムードです。

「どんな人でしょうか、美人ですかね!」と話題に食いつく白。
白の言う美人はトップレベルの年上系なのでレッドあたりの感覚とは違いそうです。
「ま、俺の彼女よりは落ちるだろうけどな。」と言うレッドですが
「え、先輩居るんですか?」と疑問を口にする白。

白の認識ですと、ブルーは美人の彼女がいて当然ですが、
レッドは彼女が存在する事からオカシイみたいです。
結局レッドに彼女は居ないと言う事でずっこける一同。

そしてブルーが仕事にも乗っている事に納得している犬責任者。
何でも現在ブルーは特凶の試験を受けていて、今までパーフェクトの成績で通っているそうです。
デカレンジャーの皆はブルーが受験していた事を知らなかったようです。
白に拠れば専門のクラスに入らず通常の職務をこなしながら
特凶の勉強をするのは凄い事だそうです。
通信教育でネゴシエイターの勉強をしたピンクも誉めてください。

ブルーの充実振りについて、励ましてくれる人の存在が大きいと犬責任者。
レッドは悔しがって(通算成績で一番もててる)グリーンの首をホールドしだしました。
白あたりは趣味が違うので敵視していないようです。


 ギターを爪弾きながら歌っているムーディーな女性。
注:「moody」は英語だと「不機嫌な」って意味らしいですが、ここでは日本語読みしてください。
どうやらここは酒場で女性は歌手っぽいです。
カウンターにはブルーがいて、歌い終わった女性がその隣に座ります。
ブルーとこの女性は結構仲が良いようです。
ブルーと喋りながらワインを口にする女性ですが、むせてしまいます。
宇宙人である彼女の言い分では、地球のお酒が強いからむせたとの事です。
速攻で弱いのかソフトドリンクをオーダーしてくださいブルー、ここで気を回せるかが勝負所です。
そしてそこに女性の弟が女性を迎えに来ます。
ブルーは弟さんに挨拶しますが弟さんはブルーには特に声をかけません。
無理して働かなくて良いから、と女性を連れ戻そうとする弟さんですが
「無理なんてしていない、私は好きなの、歌う事が。」と女性。
でも表情は元気が無い感じで実際無理しているっぽいです。
しかし毎日迎えに来ているのでしょうかこの弟さん。
店長とかに声を掛けずにサクッと帰ったら賃金貰えなさそうですので
その辺考えて行動して欲しいです。


 公園で女性を襲っている不審者。
赤色灯をつけたパトカーがそこに到着し、警察官が不審者を呼び止めます。
不審者の顔はメッチャ宇宙人顔、そしてそれを見た警察官は悲鳴を上げます。
宇宙人慣れしていない警察官です。
以前豆乳を買いに行った豆腐屋さんの方が肝が据わっています。
やはり民間の方が思考に柔軟性があるのでしょうか。

一方ブルーは女性を家まで送っていました。
ブルーはもう一歩踏み込みたそうな感じですが、女性は何かを気にして距離を置きたがっています。
その時ブルーのSPライセンスに犬責任者から公園での事件の情報と出動命令。

一足先に不審者というか犯人の追跡に出ているデカレンジャー。
横一列に走って犯人を追いかけています。
挟み撃ちとかしません。乗り物も使いません。
そこに遅れてくるブルー。ブルーとのやり取りのため足を止めるデカレンジャー。
そうこうしている間に犯人が逃げ切りそうですが、幸い犯人はその辺に潜伏してくれたようです。

犯人を探す為にスワットモードになるデカレンジャー。
見つかった事に気付いた犯人は再び逃走。
「止まれ、止まらないと撃つぞ。」と
ディーリボルバー(宇宙警察一の破壊力を持つ銃器)を構えるブルー。
止まる様子のない犯人にぶっ放すブルー。ジャッジメント前ですが撃ちまくり。

うち1発が犯人の腕にヒットしうずくまる犯人。
どうやらディーリボルバーの出力を押さえて撃ったみたいです。
普通に撃っていたら腕もげていてもおかしくない筈です。
追い詰められた犯人ですが、蔓のようなものを鞭のように使って周囲を叩きまくり、
デカレンジャー達が火花や煙で怯んだ隙に逃げてしまいました。

スワットモードでの追跡を振り切るとはなかなか凄い犯人です。
それに引き換えスワットモードの「タクティクス」のあたりが早くも弛んで来ている気がします。


 デカベースで犬責任者から被害者の司法解剖の所見を聞いているデカレンジャー。
遺体からはある特定の栄養素が消えているそうです。
冒頭の突然死で済まされた事件も同じ事が起きていたようです。
保険やさんが頑張って調べたのだと思います。
その時同様の事件が7つの惑星で数十件発生していると鳥長官から連絡が入ります。
そして特凶の最終試験として、広域指定となったこの事件を48時間以内に解決するという課題を与えられるブルー。
星8つ目で広域指定なのか地球が宇宙の果てだから広域になっちゃったのかは
よく分かりません。

早速調べ物に取り掛かるブルーですが、メカニックの女性から犯人が現場に落とした血が
彼女と同じ星の男性のものと知らされて、思いっきり挙動不審になるブルー。
皆ブルーの方を振り向いていますので、ブルーに何か思い当たる節があるのは一目瞭然ですが
日ごろの行動が不審な為か追及などはされません。


 家で歌の練習をしている女性。また咳き込んでしまっています。
線路脇の物件なので具合悪いならとりあえず寝ろと言っても寝付けなさそうです。
そこによろけながら戻ってくる弟さん。
青い花を持ち帰った弟さんの様子がおかしいのを気にする女性ですが、
谷間に咲いていたのを摘んで来ただけと言って誤魔化します。
もっとも公園が谷間にあったのかもしれないので嘘かどうかは微妙です。

花から出た滴をプレパラートに乗せ、顕微鏡で様子を見る弟さん。
細菌のようなものが見る見る消滅しているのを見て、
「これなら姉さんの病気もすぐになおるよ。」と喜んでいます。

早計です。それ毒だったらどうするのですか。

「じゃあ私、本気になってもいいの?」と聞く女性。
弟さんは「あの刑事のことか。」とちょっと嫌そうです。
たしかに不審な人が義兄になるのは抵抗あります。


 そこに制服姿でやってくるブルー。
弟さんに聞きたい事があるとの事で、線路脇の別の場所に連れ出します。
ブルーは弟さんの服の袖をまくり、怪我をしているのを確認。
自分の攻撃で受けた傷だろうと本人に聞き、
だったらどうするのだと言う弟さんの問いに、重要参考人として連行すると返すブルー。

そして唐突に苦労話を始める弟さん。
スペースシップの事故で親御さんを無くしてから、姉である女性が働いて弟さんを養っていたそうです。
弟さんはお陰で医者になったそうですが、女性は危ない星で働いた所為で被曝し、このままだと僅かしか生きられないそうです。
それはそうと弟さん、医者の割には全然貧乏そうです。
そして色々な星で人体実験を重ねて、
地球の若い女性に例の花を青く咲かせるのに最適な物質がある事が分かったそうです。

若い女性にだけある物質ってエストロゲンとかでしょうか。
イソフラボンじゃ駄目ですか、あれなら豆腐屋で手に入ります。
宇宙人耐性もあるのでオススメです。


 「俺がやるしかないんだ」と叫んで逃走する弟さん。
ブルー、犯人見つけるの滅茶苦茶早かったですし自白も得られましたし動機もバッチリわかったのに
自分自身がショックを受けて弟さんを追いかける事も出来ません。

弟さんは逃げた先で若い女性を見かけ、宇宙人の姿を現して襲おうとしますが、
若い女性が弟の面倒を見ている様子が自分の姉の姿と重なった為、ブレーキがかかってしまいます。
あと、弟さんは宇宙人スタイルに変身できますが、お姉さんのほうは多分
「男はアレでも若い女性(コギャル以外)は地球人型」という宇宙の法則が適用されていると思います。

ブルーは弟さんを追わずに女性の家の前に来ています。
ドアノブに手をかけたその時、犬責任者から逃走中の犯人の知らせが入ります。
静かにライセンスを閉じて、スイッチをチェンジに切り替えるブルー。
しかし指令が入ったらハイとかイイエとか言わないと、指令した方は情報が伝わったか分からなくて不安です。


 デカレンジャーも走って出動。
シューターとかデカマシンとか今日は使わない日みたいです。
もしかしたら前回無理な使い方をしたのでメンテナンスが終わっていないのかも知れません。
今回の事件はブルーのテストでもあると皆に念を押し、
「援護は良いけど絶対トドメん所ででしゃばるなよ!」と声をかけるレッド。
周囲からレッドが一番危ないと言われています。次に危ないのはピンクあたりでしょうか。

それにしても皆で普通に使っている方の階段を走って降りてると
他の一般職員とかにぶつかりそうで怖いです。


 普段どおりに家を出る女性、天気が悪くなってきたので傘を持って出ます。
しかしブルーに呼び出された弟が全然帰ってこないのとか気にならないのでしょうか。
一方、夜になりまだ逃走している弟さん、息も切れている事ですし、自転車でもパクッていったらどうですか。
それとも殺人OKでチャリドロ駄目という訳の分からない基準をお持ちでしょうか。

地下道で若い女性を見かけた弟さん、また宇宙人スタイルになって襲おうとしますが、
ブルーに呼び止められます。
無言でSPライセンスを弟さんに向けるブルー。
女性が渡ろうとした信号が点滅から赤になり、雷の音とともに雨が降り出すシーンで代用されていますが
×だったのでしょう。

自分が居なくなれば女性が助からないと言う弟さん、職務を遂行しようとするブルーに
女性が好きなのが嘘だったのかと抗議します。
ブルーはそれを否定しながら弟さんに銃口を向けます。
そして再び逃走する弟さん、地下道を出たところで沢山の若い女性がいたため
襲う素振りを見せます。
弟さん、逃げる方が先だと思います。
市民に危害が及ぶのを防ぐ為、弟さんを射殺するブルー。

ブルーは通常モードで変身していたから良かったですが、スワットモードだったら
犯人貫通して向こうの市民まで被弾していたと思います。


 通勤途中で人だかりに気付く女性。
悪い予感がしたのか、人だかりの中心に分け入ると、そこには弟さんが倒れています。
弟さんにすがりつき、泣き崩れる女性。ブルーもそこに立ちつくして動こうとしません。
そして駆けつけた他のデカレンジャー達はその光景にちょっと引いていました。

デカレンジャー、とりあえず野次馬追い払ったりして往来の障害を取り除いてください。


 犬責任者の周りに集まっているブルー以外の一同。
ブルーは特凶を辞退したそうです。
48時間どころじゃなく事件を解決したのに勿体無いですが、
白の存在意義が本気で無くなるので辞退はいい判断かもしれません。

そして彼女の方は行方不明だそうですが、事件後メディカルセンターに運び込まれたらしく
回復に向かっている事が分かっているようです。
メカニックの女性によれば、女性の回復は弟さんの行った治療よりも
「生きたいという思いを強くする何か」があったからではないかとの事です。
それだとまた死んじゃいそうで何か嫌です。
もっとも、どう考えても同じ症状で苦しんでいる人が沢山いらっしゃるのですから、
弟さんの研究を元に治療法を確立できそうです。


 花を持って墓地を訪れるブルー。
そこには仏門に入ったっぽい女性の姿が。
お互いの姿を認め無言で動揺する2人。
そして女性はブルーに頭を下げて通り過ぎてしまいます。

それにしても、自分が尼さんになれば弟さんの墓の維持とか有利そうです。
歌が上手いのでお経を上げるのも上手なのではないでしょうか。

エンディングで尻尾だけ出してもらえたバズーカ犬の代わりに
出番が無かったロボットが不憫でした。